🔍 データで検証
脂肪溶解注射、1ccが2,374円と6,600円。
差の正体は「何を入れるか」でした
COSMEDI編集部 ・ cc表記のあるメニュー504件を1cc単価に換算 ・ 2026年7月
「同じ脂肪溶解注射なのに、サイトによって値段が全然違う」——調べ始めたきっかけは、その違和感でした。あるサイトでは総額18,850円、別のサイトでは44,000円。2倍以上。ところが正体を追いかけたら、サイトの違いではありませんでした。
この記事の要点(数字はすべて独自集計)
- 脂肪溶解注射のcc表記メニュー504件を1cc単価に換算すると、カベリン系2,374円に対しFatX系6,600円で約2.8倍の差(COSMEDI調べ・2026年7月)
- 掲載サイトによる価格差に見えたものは、主流の売られ方(1回売りかコース売りか)と主流の製剤の違いだった。回数を揃えるとハイフは0.97〜1.25倍、ダーマペンは0.75〜0.86倍とほぼ消える
- cc表記があるメニューでも19%は製剤名の記載がなく、その価格帯(1cc 4,375円)は安い製剤と高い製剤の中間に位置する
2.8倍
同じ1ccでの製剤による価格差(504件を換算)
まず、単位を揃えないと何も見えない
脂肪溶解注射の価格表示は「1回◯円」「◯ccで◯円」「◯回コースで◯円」とバラバラです。そこで、cc表記のあるメニューだけを取り出して、すべて1ccあたりいくらに換算しました。すると製剤別にきれいに分かれます。
1ccあたり2,374円と6,600円。入れる量が同じでも、2.8倍違います。そしてこれは値引きの差でも、立地の差でもなく、入れているものが違うという差です。
サイトの違いに見えたものの正体
冒頭の「サイトによって2倍」は、こう分解できました。
第1層売られ方の違い。サイトごとに1回売りが主流かコース売りが主流かが違う。ダーマペンでは一方の回数の中央値が1回、他方が2.5回。比べていたのは「1回の値段」と「コース総額」でした
第2層製剤の違い。同じ脂肪溶解注射でも、一方はカベリン系、他方はFatX系が主流。これが上のグラフの2.8倍
第3層それでも残る差。製剤も容量も揃えて、なお1.4〜1.7倍の差が残りました。仕入れ、部位、院の方針——ここは正直、まだ説明がついていません
逆に言うと、①回数 ②製剤 の2つを揃えるだけで、見かけの差の大半は消えます。実際、ハイフは照射数を揃えると0.97〜1.25倍、ダーマペンは回数を揃えると0.75〜0.86倍とほぼ同じか逆転しました。「どのサイトが安いか」という問いは、ほとんどの場合、間違った問いです。
製剤の承認状況も、確認する価値があります
脂肪溶解注射の主成分であるデオキシコール酸は、米国FDAで脂肪溶解効果が認められている成分です。ただし製剤ごとに国内での承認状況は異なり、FatX Coreなど国内未承認の医薬品として提供されているものがあります。
高い=良い、安い=悪い、でもありません。含有濃度も適応部位も製剤ごとに違います。だからこそ、値段だけでなく「何を、どれだけ入れるのか」を聞く意味があります。
💡 比べるときに揃える3つ
① 容量:「何ccですか?」——総額ではなく1cc単価にすれば、初めて横に並びます
② 製剤:「どの薬剤を使いますか?」——cc表記があっても19%は製剤名が書かれていません
③ 回数:「これは1回分?何回コース?」——ここを外すと2倍以上ずれます
💰 ほかの施術の実売相場もしらべる ›
調査方法:国内の美容医療プラットフォーム2件に掲載された脂肪溶解注射のメニューのうち、容量(cc)表記があり単一施術として販売されているもの504件(2026年7月時点)を1cc単価に換算して集計。複数施術のセットメニューは按分不能のため除外。製剤の分類はメニュー名の記載(FatX/ファットエックス/カベリン/カベルライン/BNLS/レモンボトル等)に基づき、記載のないものは「記載なし」として別掲。価格は中央値。売られ方の比較では、数量表記のあるメニューについて回数・容量を揃えたうえで中央値を比較しています。